メール認証フィッシング対策Web 担当者啓発

怪しいメールの見分け方|Web 担当者・情シス・制作会社者向けチェック手順

ドメイン番人6 分で読めます
目次

この記事でわかること

  • 怪しいメールを「直感」ではなく機械的にチェックする 5 つの観点
  • なりすましメールの典型的な 4 つのパターン
  • 社内で標準化しておくべき見分けルール
  • 怪しいメールを開いてしまった時の応急処置

「直感」だけで見分けようとしないこと

総務・情シス担当者が直感で「これは怪しい」と判断していると、必ずどこかで取りこぼします。最近のフィッシングメールは日本語の精度も高く、ロゴや署名も完璧にコピーされています。「機械的にチェックできる観点」を 5 つ覚えておくのが安全です。

怪しいメールを機械的に見分ける 5 つの観点

観点 1: 送信元アドレスの「@」の右側を見る

差出人欄に表示される名前は自由に詐称できます。本物の手がかりは メールアドレスの「@」の右側のドメインです。

例えば次のようなアドレスは要注意です。

正規ドメインを覚えておく社内リストを作っておくと、判定が速くなります。

観点 2: メール認証の結果を確認する

Gmail なら、メール右上の「︙」→ 「メッセージのソースを表示」で、Authentication-Results: ヘッダを確認できます。

Authentication-Results: mx.google.com;
       dkim=pass [email protected];
       spf=pass smtp.mailfrom=amazon.co.jp;
       dmarc=pass (p=QUARANTINE sp=QUARANTINE dis=NONE) header.from=amazon.co.jp

dkim=pass spf=pass dmarc=pass がすべて揃っていれば、技術的には正規メールの確率が高いです。逆に dkim=fail dmarc=fail などが出ていれば、なりすましの可能性が高まります。

DMARC の判定の読み方は DMARC レポートの disposition と alignment を読み解く を参照。

観点 3: リンク先 URL を実際に確認する

メール本文に表示されている URL と、実際にクリック先になる URL は別物です。リンク文字列の上にマウスをホバーすると、ブラウザの左下や右下に実際の遷移先 URL が表示されます。

例えば「https://www.amazon.co.jp/...」と書かれていても、実遷移先が https://amaz0n-account-verify.tk/ であれば、フィッシングです。

スマホでは長押しで URL のプレビューが出るので、開く前に確認する癖をつけましょう。

観点 4: 緊急性 / 不安をあおる文言

フィッシングメールに極めて高頻度で出てくるフレーズ群です。

  • 「24 時間以内にご対応いただけない場合、アカウントが停止されます」
  • 「セキュリティ上の問題が検出されました」
  • 「○月○日までに支払いが確認できない場合」
  • 「以下のリンクから至急パスワードを変更してください」

正規の事業者は メール内のリンクから直接パスワードを変えさせる導線を取りません。本物っぽくても、不安をあおる文言で「メール内リンクから ID / パスワード入力」させる構造のメールは、限りなくフィッシングです。ドメインの失効や更新を装って急かす詐欺メールの具体的な見分け方はドメイン更新詐欺メールの見分け方で解説しています。

観点 5: 添付ファイルの拡張子と圧縮形式

正規のメールでも添付は付きますが、次のパターンは特に警戒します。

  • .zip.rar で圧縮されたファイル: 中身がスクリプトファイル(.exe / .vbs / .js)であることが多い
  • マクロ付き Office ファイル(.docm / .xlsm): マクロを有効化させて感染させる手口
  • 二重拡張子: invoice.pdf.exe のように見せかける手口

迷ったら 開かずに添付の元ファイルを削除 が安全です。

「自社のドメインから迷惑メールが届いた」と取引先に指摘された場合の対応は 「自社の名前で迷惑メールが届いた」と言われた時の対応手順、メールが届かない側のトラブル切り分けは 会社のメールが届かない原因を一覧で整理 を併読してください。

なりすましメールの典型 4 パターン

なりすましメールの典型 4 パターン

パターン 1: 取引先になりすました請求書 / 振込先変更通知

「振込先口座が変更になりました。新しい口座は…」という文面のメール。BEC(ビジネスメール詐欺)の典型です。実害が大きいので、振込先変更の連絡は メール以外の経路(電話)で必ず確認するルールを社内で徹底します。詳しくは BEC(ビジネスメール詐欺)の手口と事例 を参照。

パターン 2: 経営者を装ったメール(CEO 詐欺)

「至急、別件で送金が必要だ。○○口座に△△万円振り込んでくれ」という指示メール。経営者の名前を語ってアドレスはフリーメールというパターン。経営者からの送金指示は 対面確認 or 電話確認 を就業規則に組み込むのが定石です。

パターン 3: 配送業者・通販業者からの不在通知

「ヤマト運輸:お荷物のお届けに伺いましたが…」「Amazon:注文した商品の配送に問題があります」というメールから偽サイトに誘導するパターン。クリック先で ID / パスワード / クレジットカード情報を入力させます。

パターン 4: 自社ドメインからの内部通知

「IT 部門です。パスワードの再設定が必要です」「人事です。給与明細のリンクをご確認ください」と、自社の情シス・人事を装うパターン。自社ドメインを偽装している場合、SPF / DKIM / DMARC が正しく設定されていればブラウザ側で警告されますが、未設定だと普通に届いてしまいます。だからこそ自社のメール認証強化が、社員への二次被害を防ぐ最大の対策です。

社内で標準化したいチェックルール

総務担当者が一人で全メールを判定するのは現実的ではありません。社員全員が機械的に判断できるルールを共有しておくのが効果的です。

  1. 送信元の「@」の右側ドメインを必ず確認(5 秒)
  2. 「至急」「24 時間以内」「アカウント停止」が含まれたら一段警戒
  3. リンクは長押し / ホバーで遷移先 URL を確認してからクリック
  4. 添付ファイルは開く前に拡張子を確認。zip / マクロ付きは情シスへ転送
  5. 振込先変更・経営者からの送金指示は必ず別経路で確認

これらを 1 枚のチェックリストにして、社内ポータルや給湯室の壁に貼っておくと事故が減ります。

怪しいメールを開いてしまった時の応急処置

  1. リンクを踏んでしまった場合: ID / パスワードを入力していなければ、ブラウザを閉じるだけで多くは大丈夫。心配なら端末のウイルススキャンを実行
  2. ID / パスワードを入力してしまった場合: 即座にそのサービスのパスワードを変更。同じパスワードを使っている他サービスも変更
  3. 添付ファイルを開いてしまった場合: 端末を社内ネットワークから切り離し、情シスに連絡。ウイルススキャンを実行
  4. 送金してしまった場合: 即座に送金元銀行と取引先銀行へ連絡。警察にも被害届を提出

まとめ

  • 直感ではなく 5 つの機械的チェックで判定する
  • 送信元のドメイン、認証結果、URL の実遷移先、文言、添付の 5 点
  • 振込先変更・経営者送金指示は必ず別経路確認
  • 自社のメール認証(SPF / DKIM / DMARC)強化が、社員への二次被害も防ぐ

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