なりすましメール認証Web 担当者緊急対応

「自社の名前で迷惑メールが届いた」と言われた時の対応手順

ドメイン番人5 分で読めます
目次

この記事でわかること

  • 「お宅から変なメールが届いた」と連絡が来た時の最初の 3 つの確認
  • 自社サーバーから送られたのか、なりすましかを切り分ける手順
  • なりすましを止めるための DNS 側の対応
  • 二度と起きないようにするための予防策

連絡が来た瞬間に頭が真っ白にならないために

Web 担当者・情シス・制作会社者は、ある日突然「お宅から覚えの無いメールが届いた」「セキュリティ警告が出るリンクが貼ってあった」といった連絡を取引先・顧客から受けることがあります。

このとき、まず冷静に切り分けます。「自社が送ったが、何かの不備で迷惑メール扱いされた」のか、「第三者が自社のドメインを偽装して送った」のかで、対応が全く違います。

不審なメールを社員側で見分けるルール作りは 怪しいメールの見分け方|Web 担当者・情シス・制作会社者向けチェック手順、自社送信メールが届かない時の切り分けは 会社のメールが届かない原因を一覧で整理 を併読してください。

最初の 3 つの確認(10 分でできる)

最初の 3 つの確認フロー

確認 1: 送信元のメールアドレスを取得

連絡してきた相手から、問題のメールの全ヘッダを入手します。Gmail なら「︙」→ 「メッセージのソースを表示」、Outlook なら「ファイル」→ 「プロパティ」で表示できます。

特に確認すべきは:

  • From: ヘッダ(送信者が表示するアドレス)
  • Return-Path: ヘッダ(バウンス先、本当の送信源に近い)
  • Received: ヘッダ(経由したサーバーの IP)
  • Authentication-Results: ヘッダ(受信側で実施した SPF / DKIM / DMARC 判定)

確認 2: 自社のメール送信履歴と照合

社内メール基盤(Google Workspace / Microsoft 365 / 自社 SMTP)の送信ログで、該当時刻・該当宛先への送信履歴があるか確認します。

  • 送信履歴がある → 自社が送った正規メールである可能性が高い(ただし社員の端末がマルウェアに感染している可能性も)
  • 送信履歴が無い → 第三者によるなりすましの可能性が高い

確認 3: Authentication-Results を読む

受信側の Authentication-Results に注目します。

Authentication-Results: mx.google.com;
       dkim=pass [email protected];
       spf=pass smtp.mailfrom=example.co.jp;
       dmarc=pass (p=QUARANTINE sp=QUARANTINE dis=NONE) header.from=example.co.jp
  • dkim=pass && dmarc=pass → 自社のメール基盤から送られた可能性が高い
  • dkim=fail または dkim=none && spf=fail → なりすましの可能性が高い

DMARC 判定の読み方は DMARC レポートの disposition と alignment を読み解く を参照。

なりすましだった場合の対応

確認 3 で「なりすまし」と判定された場合、次の対応を急ぎます。

DMARC ポリシー段階強化のフロー

対応 1: 自社の DMARC ポリシーを確認

まず 無料のドメイン診断 で自社の DMARC 設定状況を確認します。

  • DMARC 未設定: 受信側に「失敗時にどう扱うか」の指示が無い状態。なりすましメールが届くのを防げない
  • p=none: 観察モード。失敗を検知しても受信側に止める指示を出していない
  • p=quarantine: 受信側でスパムフォルダ送り
  • p=reject: 受信側で拒否(破棄)

p=none のままだと、なりすましメールは普通に届きます。p=quarantinep=reject に進めるのが対策になります。

ポリシーの段階的強化手順は DMARC ポリシー段階強化ガイド で詳しく解説しています。

対応 2: SPF / DKIM の設定不備を埋める

DMARC は SPF / DKIM の判定結果を元に動くので、両方が正しく設定されていることが前提です。SPF の include: 数オーバーや DKIM 鍵長 1024 ビット等の不備があれば修正します。

対応 3: 受信側に状況を伝える

連絡をくれた取引先には「ご指摘ありがとうございます。なりすましメールでした。当社の DMARC 設定を強化したのでもう届かないはずです。万一同じことがあれば再度ご連絡ください」と返信します。隠したり逆ギレしたりすると信頼を損ねます。

対応 4: 関係者への注意喚起

大量に同じパターンのなりすましが出ている場合、自社の主要な取引先・顧客に「なりすましメールが出回っていますのでご注意ください。当社は メール内リンクから ID / パスワードを入力させる依頼は一切行いません」と一斉案内するのが安全です。

自社が送った正規メールが「迷惑」と判定された場合

確認 3 で dkim=pass spf=pass dmarc=pass だった場合、自社が送ったメールが何らかの理由で迷惑メール扱いされている状態です。

考えられる原因:

  • メール本文中のキーワード(「無料」「特別」「至急」等)でスパム判定
  • 送信 IP の評価低下(共有 SMTP の他利用者がスパム送信)
  • 送信頻度の急増(1 日 5,000 通超で Gmail / Yahoo の判定が厳しくなる)
  • 件名・本文・送信元名の不整合

対処法:

  1. 直近の送信パターン(量・宛先・本文)を見直す
  2. 共有 SMTP を使っているなら専用 IP を持つサービスへ切り替え検討
  3. SPF / DKIM / DMARC は既に設定済みでも、設定の質をさらに高める(DKIM 鍵長 2048 ビット化等)

詳しくは Google の送信者ガイドライン要約 を参照してください。

なりすましが多い場合は「未使用ドメイン」も要チェック

意外な落とし穴は、過去に取得して今使っていないドメインから送られているケースです。事業整理で売却したサービス、終了したキャンペーン用ドメインなどが第三者に取得 or 偽装されているパターン。

未使用ドメインの SPF / DMARC 設定で「メールも MX も無し」と宣言する手順は 未使用ドメインのなりすまし対策(パークドメイン保護) で解説しています。

まとめ

  • 「お宅から変なメールが届いた」と言われたら、送信元ヘッダと自社送信ログを照合して切り分け
  • なりすましなら DMARC ポリシーの強化で受信側に拒否させる
  • 自社送信が迷惑判定された場合は送信パターンと SPF / DKIM の質を見直す
  • 未使用ドメインからのなりすましも忘れずにチェック

まずは現状を把握しましょう

無料のドメイン診断 で、自社ドメインの SPF / DKIM / DMARC の設定状況を 30 秒で確認できます。なりすましメール対策の起点として最初に開いてください。

被害が出ている、対応が急務、という状況であれば お問い合わせフォーム で「メール不達など緊急対応のご相談」を選択してご連絡ください。スポット対応(3 万円〜)で 24〜48 時間以内に切り分けと初動対応、再発防止策をご提案します。

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