さくらインターネットの SPF/DKIM/DMARC 設定 2 パターン
目次
この記事でわかること
- さくらインターネットを「メールサーバー」として使うか「DNS だけ預ける」かで設定が変わる理由
- SPF・DKIM・DMARC それぞれで追加すべき DNS レコードの中身(type / name / value の指針)
- 既定の SPF と外部サービスの SPF が衝突したときの考え方と検証方法
なぜ「さくら + メール認証」が混乱しやすいのか
「さくらでの SPF や DKIM の正解がわからない」という相談は、Gmail と Outlook の送信者要件強化以降に増えました。混乱の原因は、さくらには複数商品があり挙動が異なる点と、メールを送る場所と DNS を管理する場所が一致するとは限らない点の 2 つです。
「ドメインはお名前.com、DNS はさくら、メールは Google Workspace」という構成も珍しくありません。整理せず手順を検索すると、自分のケースに当てはまらない設定でメールが止まります。まず送信経路と DNS 管理者を切り分けて図にすることから始めます。
パターン A: さくらをメールサーバーとして使う場合
さくらのメールボックスやレンタルサーバーのメール機能を実際に送信元として使うケースです。問い合わせフォームの自動返信などがさくら側から出ていく構成を指します。SPF・DKIM・DMARC の 3 点を、さくら側のメールサーバーを許可する形で組みます。
SPF レコード
SPF(エスピーエフ:送信元 IP を許可する仕組み)は、ドメインの apex に TXT レコードとして 1 件だけ追加します。
- type: TXT
- name:
@(apex) - value の方針:
v=spf1で始め、さくら公式マニュアルが提示する include 文字列を 1 つだけ入れ、最後を~allまたは-allで締める
複数のメール送信元を併用する場合は、それぞれの include を 1 行に並べます。SPF レコードはドメインあたり 1 件しか持てないので、TXT を複数行作らないこと。include の合計が 10 個を超えると Permerror になり、SPF 全体が無効になります(RFC 7208)。
DKIM レコード
DKIM(ディーキム:電子署名による改ざん検知)は、さくら側で秘密鍵と公開鍵を発行し、<セレクタ>._domainkey.<ドメイン> の TXT に公開鍵を入れる方式が一般的です。
- type: TXT
- name:
<セレクタ>._domainkey(さくら側で発行される値) - value の方針:
v=DKIM1; k=rsa; p=<公開鍵>
セレクタ名と公開鍵は推測で書けません。最新の管理画面操作と発行されるセレクタ名は、さくらインターネットの公式マニュアルで確認してください。さくらが DNS も預かっている構成では、DKIM 用 TXT が自動追加される設計になっている場合があります。
DMARC レコード
DMARC(ディーマーク:SPF と DKIM の結果をどう扱うかのポリシー)は、_dmarc.<ドメイン> という名前の TXT レコードに 1 件だけ追加します。
- type: TXT
- name:
_dmarc - value の方針: 最初は
v=DMARC1; p=none; rua=mailto:[email protected]から始め、レポートを 2〜4 週間観察してからquarantine→rejectと段階的に強化する
いきなり p=reject にすると、設定漏れの正規メールまで拒否されるリスクがあります。段階的強化のフローはDMARC 設定ガイドで解説しています。
パターン B: DNS だけさくらに預けて、メールは別サービスを使う場合
ネームサーバーはさくら、送信は Google Workspace や Microsoft 365、Resend、SendGrid などの外部サービスから行うケースです。さくらは DNS の入れ物として使うだけで、SPF・DKIM は外部サービスが指定する値を転記します。
既定 SPF との衝突に注意
さくら側で「メール送信機能を使う」が ON のままだと、apex に include:_spf.sakura.ne.jp 系の SPF が既定で入っていることがあります。この状態で Google が指示する include:_spf.google.com を「別の TXT」として追加すると、SPF が 2 件並び、全体が Permerror で無効化します。受信側は DKIM がパスしない限り認証失敗扱いです。
正しい対応は次のいずれかです。
- さくらの既定 SPF を 1 行に統合し、外部サービスの include を同じ TXT に並べる
- さくらのメール送信機能を使っていないなら、既定 SPF をパネルから無効化したうえで外部サービスの SPF を追加する
DKIM も同様で、外部サービスが提示するセレクタと公開鍵を、さくらの DNS 編集画面で TXT または CNAME として追加します。CNAME 方式なら、外部サービスの DKIM 鍵ローテーションに自動追従できる利点があります。
設定後の検証方法
DNS の伝搬は最大数時間。設定が反映されたかは次のいずれかで確認します。
- dig:
dig TXT example.com/dig TXT _dmarc.example.com/dig TXT <selector>._domainkey.example.com - mxtoolbox: SPF / DKIM / DMARC の各チェッカー
/diagnose: ドメイン番人の無料ドメイン診断で一括チェック
実際に送って、Gmail / Outlook の「メッセージのソースを表示」で Authentication-Results ヘッダに spf=pass・dkim=pass・dmarc=pass が並ぶところまで確認すると安全です。
他社のホスティングを併用している場合、エックスサーバーはXserver の SPF/DKIM/DMARC 設定の進め方を、SPF の基礎はSPF レコード設定ガイドを参照してください。
まとめ
- まず「送信元はどこか」「DNS 管理者は誰か」を切り分ける
- パターン A(さくらから送信)では、さくら発行の DKIM セレクタを使い、SPF と DMARC を DNS に追加
- パターン B(DNS だけ預ける)では、既定 SPF と外部 SPF が衝突しないよう 1 行に統合
- セレクタ名・公開鍵・include 文字列は推測せず公式マニュアルの値を使う
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