BIMI設定方法|Web 担当者向けに手順をやさしく解説
目次
この記事でわかること
- BIMI を設定するとメール受信側で何が変わるか
- BIMI を有効化する 4 つの前提条件と、なぜそれが必要か
- 中小企業が現実的に導入する場合の判断軸とコスト感
BIMI とは ─ 受信箱に自社ロゴを出す仕組み
BIMI(Brand Indicators for Message Identification、ビミ)は、メールの受信箱で送信元の 自社ロゴをアイコンとして表示する仕組みです。Gmail / Yahoo! Mail / Apple Mail などが対応していて、認証されたメールには送信者欄にロゴが出ます。
「メールに信頼マークを付ける」という発想で、なりすまし対策の延長線として 2021 年頃から普及してきました。受信者から見ると、
- ロゴあり = 認証済みの正規メール
- ロゴなし = 認証が通っていない、または BIMI 未対応のドメイン
という見分けがつくため、フィッシングメールに騙されにくくなる効果があります。
ただし BIMI は 「設定すれば誰でもロゴが出る」ものではありません。後述するとおり、複数の前提条件を満たす必要があり、特に VMC(Verified Mark Certificate、認証済みマーク証明書) の取得には費用がかかります。
4 つの前提条件
BIMI を有効化するには、4 つの条件を順番にクリアしていく必要があります。Google 公式ドキュメントでも、これらの順番が推奨されています。
前提 1: DMARC を p=quarantine 以上で運用していること
これが最大の前提です。BIMI は DMARC が p=quarantine または p=reject で動作している前提でしか有効化されません。p=none のままでは BIMI レコードを書いてもロゴは表示されません。
DMARC を p=none で止めている企業は、まずDMARC強化の手順で p=quarantine まで上げる作業が先になります。
前提 2: ロゴを SVG 形式で用意すること
BIMI のロゴは SVG Tiny PS(BIMI 用に制限された SVG プロファイル) で用意する必要があります。一般的な SVG とは違い、
- スクリプト・外部参照・アニメーション禁止
- 正方形(1:1 アスペクト比)
- 最低 96px × 96px の表示で読めること
- ファイルサイズは 32KB 程度に収める
という制限があります。デザイン会社に「BIMI 用 SVG」と伝えれば、対応できる業者が増えてきています。
前提 3: SVG をHTTPS で公開すること
作成した SVG を、自社ドメイン配下の HTTPS で公開します。たとえば https://example.co.jp/bimi/logo.svg のような URL です。
SSL 証明書は必須で、HTTP では認識されません。
前提 4: VMC(Verified Mark Certificate)の取得: Gmail に表示させたい場合
ここが BIMI 導入の最大のハードルです。Gmail はロゴ表示に VMC を要求しています。VMC は商標登録済みのロゴについて、認証局(現状は DigiCert / Entrust など)が「このドメインがこのロゴを使う権利を持つ」と証明する電子証明書です。
- 取得には商標登録が必要
- 認証局への年間費用(およそ 10〜15 万円程度)
- 申請から発行まで数週間
「ロゴ商標登録していない」「認証局費用が出ない」段階では、Gmail での BIMI 表示は実質的に難しい、というのが現状です。
DNS への BIMI レコード追加
前提条件を満たしたら、最後に DNS に BIMI レコードを追加します。形式は次のとおりで、default._bimi.example.co.jp という TXT レコードに書きます。
v=BIMI1; l=https://example.co.jp/bimi/logo.svg; a=https://example.co.jp/bimi/cert.pem
v=BIMI1: バージョン宣言l=: 公開する SVG ロゴの URLa=: VMC 証明書ファイル(PEM 形式)の URL ─ Gmail 表示に必須
VMC を取らない場合は a= を省略できますが、その場合 Gmail ではロゴが表示されません(他の対応メールクライアントでは表示される場合あり)。
現実解 ─ 段階的アプローチ
BIMI のメリット(信頼向上・ブランド可視化)は理解できても、商標登録 + VMC 取得 + SVG 制作で 初期コスト 20 万円以上、年間運用 10 万円以上 という規模感は、中小企業にはハードルが高いことが多いです。
現実的なアプローチは次の段階分けです。
| 段階 | やること | コスト感 |
|---|---|---|
| 0 | DMARC を p=quarantine 以上に強化 | 数週〜数ヶ月の運用 |
| 1 | ロゴを SVG Tiny PS で準備 | デザイン費数万円 |
| 2 | DNS に BIMI レコード追加(VMC なし) | 数千円 / 月内 |
| 3 | 商標登録 + VMC 取得 | 初期 15〜25 万、年 10 万 |
段階 2 までは比較的低コストで進められ、Gmail 以外(Apple Mail / Yahoo! Mail など)では一部表示が始まる場合があります。Gmail でのロゴ表示にこだわるなら段階 3 まで進む、という判断順がおすすめです。
DMARC が p=none のままならまずDMARC強化の手順から、ブランド保護全般は類似ドメイン対策の基礎で扱っています。
まとめ
- BIMI は受信箱に自社ロゴを表示し、認証済みメールであることを視覚的に伝える仕組み
- 有効化には DMARC
p=quarantine以上、SVG ロゴ、HTTPS 公開、VMC(Gmail 表示時)の 4 条件が必要 - サイト運営者では段階的に進め、商標 + VMC を取るかは ROI で判断するのが現実的
まずは前提を整える
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