メール認証トラブルシューティングWeb 担当者

Authentication-Results の見方と読み方

ドメイン番人8 分で読めます
目次

この記事でわかること

  • Authentication-Results ヘッダで spf= / dkim= / dmarc= の合否を読む方法
  • pass / fail / none / softfail / temperror / permerror の意味の違い
  • Gmail・Outlook で認証結果を自分で確認する手順

「なぜ迷惑メール判定されたのか」を自分で確かめたい

「うちから送ったメールが、取引先の迷惑メールフォルダに入っていた」「逆に、届いたメールが本物か怪しい」——こんなとき、答えはメールの中にあります。

受信したメールには Authentication-Results(オーセンティケーション・リザルツ=認証結果) というヘッダ(メールの裏側に付く管理用の情報)が記録されています。ここを読めば、そのメールが SPF・DKIM・DMARC という 3 つのメール認証をそれぞれ通過したのか、失敗したのかが一目でわかります。

このヘッダの書式は RFC 8601(インターネット標準仕様)で定義されており、Gmail や Outlook など主要なメールサービスが共通してこの形式で記録しています。読み方さえ覚えれば、どのサービスでも同じ要領で確認できます。

メール認証そのものの仕組みをまだ押さえていない方は、先に SPF・DKIM・DMARC の違いをわかりやすく解説 を読んでおくと、この先の内容がぐっと理解しやすくなります。

Authentication-Results の全体構造

まず、典型的な 1 通の例を見てみましょう。すべての認証が通っている「理想の状態」です。

Authentication-Results: mx.google.com;
       spf=pass (google.com: domain of [email protected]
            designates 203.0.113.10 as permitted sender)
            [email protected];
       dkim=pass [email protected] header.s=selector1;
       dmarc=pass (p=NONE sp=NONE dis=NONE) header.from=example.co.jp

一見すると暗号のようですが、構造はシンプルです。

Authentication-Results ヘッダの構造

  • 先頭の mx.google.com:どのサーバーが認証を判定したか(authserv-id)。Gmail なら mx.google.com になります
  • spf= / dkim= / dmarc=:それぞれの認証方式と、その結果(合否)
  • カッコ内や smtp.mailfrom= などの付帯情報:判定の根拠になったドメインや IP アドレス

つまり「方式=結果」のセットが 3 つ並んでいるだけ、と捉えれば読みやすくなります。RFC 8601 では各セットを method=result の形で記述すると定められています。

結果値(pass / fail / none …)の読み分け

結果値は数種類あり、方式ごとに使える値が決まっています。下の早見表を手元に置いて読むと迷いません。

認証結果値の早見表

結果値 意味 どう受け止めるか
pass 認証に成功した 正常。送信元として正しいと確認できた
fail 認証に失敗した 設定漏れ、または なりすましの可能性
none 認証情報が無い/評価していない SPF・DKIM・DMARC が未設定の状態
softfail 失敗だが弱い拒否(SPF のみ) SPF が ~all。怪しいが拒否まではしない扱い
neutral 判定を保留(合否を示さない) SPF が ?all 等。明確な合否がない
temperror 一時的なエラー DNS の一時障害など。再送で解消することがある
permerror 恒久的なエラー レコードの記述ミス。直さない限り解消しない

ポイントは fail と softfail の差 です。SPF の softfail は、SPF レコードの末尾が ~all(チルダ)の場合に出ます。「登録外の送信元だが、受信は拒否せず迷惑メール寄りに扱う」という弱い判定です。これに対し fail は末尾が -all(ハイフン)で、より明確に「不正な送信元」と扱われます。SPF の ~all-all の違いは SPF の fail と softfail の違い で詳しく整理しています。

なお、SPF と DKIM では pass fail none neutral temperror permerror などが使われ、softfailSPF だけ に存在します。DMARC で使われる結果値は pass fail none temperror permerror の 5 つで、こちらに softfail はありません(IANA の Email Authentication Result Names レジストリで定義)。

付帯情報(header.from / smtp.mailfrom / header.d)の意味

結果値の前後に並ぶ付帯情報は、「どのドメインを根拠に判定したか」を示します。ここを読むと、なぜその合否になったのかの理由までたどれます。

  • [email protected]:SPF が評価した送信元アドレス。封筒でいう差出人(Return-Path)にあたるドメインです
  • header.d=example.co.jp(または [email protected]):DKIM 署名を付けたドメイン。header.s= はそのときの「セレクタ(鍵を識別する名前)」です
  • header.from=example.co.jp:DMARC が基準にする、メール本文に表示される From のドメイン

DMARC の合否は、この header.from のドメインと、SPF / DKIM が認証したドメインが一致しているか(アラインメントと呼びます)で決まります。SPF や DKIM が個別に pass でも、From のドメインと食い違っていると DMARC は fail になり得ます。仕組みの全体像は DMARC とは?仕組みと SPF/DKIM 違いを 5 分解説 を参照してください。

失敗している例を読んでみる

次は、SPF と DMARC が失敗しているケースです。

Authentication-Results: mx.google.com;
       spf=fail (google.com: domain of [email protected]
            does not designate 198.51.100.7 as permitted sender)
            [email protected];
       dkim=none;
       dmarc=fail (p=NONE) header.from=example.co.jp

読み解くとこうなります。

  • spf=fail … 送信元 IP 198.51.100.7 が SPF レコードに登録されていない。新しく使い始めた送信サービスの追加忘れ、または第三者によるなりすまし送信
  • dkim=none … DKIM 署名が付いていない(DKIM 未設定、または署名が壊れて検出されなかった)
  • dmarc=fail … SPF も DKIM も From ドメインと整合しなかったため、DMARC として失敗

自社の送信であれば、送信に使っているサービスの IP を SPF に追加し、DKIM 署名を有効にすれば pass に近づきます。

Gmail・Outlook で認証結果を確認する手順

実際のメールでヘッダを開く手順は、サービスごとに少し違います。

Gmail と Outlook での確認手順

Gmail(ブラウザ版)

  1. 対象のメールを開く
  2. 返信ボタンの右にある三点メニュー(⋮)をクリック
  3. 「メッセージのソースを表示」(英語表示では Show original)を選ぶ
  4. 新しいタブが開き、上部の概要に SPF / DKIM / DMARC の合否、本文に Authentication-Results が表示されます

Outlook(Web 版・新しい Outlook)

  1. 対象のメールを開く
  2. 三点メニューから 「表示」→「メッセージのソースを表示」
  3. 表示されたソースの中から Authentication-Results の行を探します

Outlook(従来のデスクトップ版)

  1. 対象のメールを開く
  2. 「ファイル」→「プロパティ」
  3. 「インターネット ヘッダー」 のボックス内に Authentication-Results が含まれます

どのサービスでも、開いたソースの中から Authentication-Results という文字列を検索すれば、目的の行にすぐたどり着けます。

よくある質問

Authentication-Results が複数行ある場合はどう読みますか

中継サーバーが複数あると、Authentication-Results が複数付くことがあります。自分が 最終的に受信したサーバー(先頭の authserv-id が自社・自分のメールサービスのもの)が付けた行を基準に読みます。途中の中継サーバーが付けた行は参考情報です。

spf=pass なのに迷惑メールに入るのはなぜですか

SPF が pass でも、DKIM や DMARC が fail だと総合的に迷惑メール判定されることがあります。3 つの結果をそれぞれ確認し、fail や none になっている方式を順に直していくのが基本です。

dmarc=nonedmarc=fail は何が違いますか

none は DMARC レコード自体が未設定(評価対象がない)状態、fail は DMARC レコードはあるが認証が整合しなかった状態です。none の場合はまず DMARC レコードの公開から始めます。

まとめ

  • Authentication-Results は「方式=結果」が 3 つ並ぶだけと捉えると読みやすい
  • pass / fail / none に加え、SPF の softfail(~all)と fail(-all)の差を押さえる
  • header.from と SPF / DKIM のドメインの一致(アラインメント)が DMARC 合否を左右する

まずは自社の認証状況を確認しましょう

受信メール 1 通の Authentication-Results を読めば「いま起きていること」がわかりますが、自社ドメインが そもそも認証を通せる設定になっているか は、送信前に把握しておくのが安全です。

無料ドメイン診断 で、自社の SPF / DKIM / DMARC の設定状況をその場で確認できます。確認方法をもっと知りたい方は SPF / DKIM / DMARC の確認方法は?4 つの手段を比較 も合わせてご覧ください。設定の切り分けに迷う場合は、お気軽にご相談ください。専門家がわかりやすくサポートいたします。

次の一歩は無料診断から。