制作会社ドメイン管理引き継ぎ

制作会社のドメイン引き継ぎ実務|抜け漏れチェック

ドメイン番人4 分で読めます
目次

この記事でわかること

  • 制作会社・ディレクターが案件を引き継ぐとき、ドメイン関連で必ず確認すべき 7 項目
  • 「引き継ぎ漏れ」が起きやすい代表的な落とし穴
  • クライアントに迷惑をかけずにスムーズに引き継ぐコツ

「引き継いだら、メールが止まりました」を防ぐ

制作会社のディレクターやデザイナーが他社から案件を引き継ぐとき、Web サイトの納品物(デザインデータ・コード・WordPress テーマ等)は引き継ぎリストに入りやすいですが、ドメインまわりは抜けがちです。なお、発注側(クライアント企業)が制作会社任せのドメインを失わないための視点は制作会社任せのドメイン、倒産・退職で失う前にでも解説しています。

「引き継ぎ後すぐ、クライアントから『メールが届かなくなった』と連絡が来た」── これは、引き継ぎ時の ドメイン情報の確認漏れが主原因です。サイトの納品物だけ揃っても、ドメイン管理が不明だとサーバー移転・DNS 変更で一瞬で事故ります。

引き継ぎ漏れがメール停止につながる構造

本記事では、案件を 新規受注した側のディレクター視点で、ドメインまわりで必ず確認すべき項目を整理します。

引き継ぎ時に必ず確認する 7 項目

引き継ぎ確認 7 項目

1. ドメイン登録業者(レジストラ)とアカウント情報

  • どのレジストラ(お名前.com / ムームー / Xserver / Cloudflare 等)で取得しているか
  • そのアカウントの ログイン情報(ID / パスワード / 二段階認証)
  • アカウント所有者は クライアント本人 / 前任業者 / その他のどれか

特に「前任業者のアカウント配下に登録されている」ケースは要注意。前任業者と連絡が取れない場合、最悪ドメインが宙ぶらりんになります。

2. ドメインの有効期限

  • 有効期限の年月日
  • 自動更新の有無
  • 更新時の支払い方法と請求先

期限切れまで残り 60 日を切ると移管できないため、引き継ぎ時に最低でも 90 日以上の余裕が必要です。期限切れ後の復旧はドメイン更新忘れの復旧手順が大変です。

3. WHOIS 情報(ドメイン所有者情報)

  • 登録者名(法人名 / 担当者名)
  • WHOIS 公開メールアドレス
  • 連絡先住所・電話番号

WHOIS のメールが古い住所・退職者宛になっていると、移管時の承認確認メールが届かず詰みます。

4. ネームサーバー(NS)とDNS管理画面

  • 現在のネームサーバーがどこか(レジストラ純正 / Cloudflare / AWS Route 53 等)
  • DNS の管理画面に ログインできるアカウント
  • 全 DNS レコードの現状(A / MX / TXT / CNAME 等)を一覧で確保

DNS 管理画面のスクリーンショットを取っておくと、移転時の復元が楽になります。

5. SSL 証明書

  • 現在使われている証明書の発行元(Let's Encrypt / 認証局 / レンタルサーバー付属)
  • 有効期限と更新の自動化状況
  • 更新ジョブ(cron / certbot 等)が動いているか

2026 年 3 月から SSL 証明書の有効期限が 200 日に短縮、将来は 47 日になる予定なので、自動更新は必須です。

6. メール認証(SPF / DKIM / DMARC)

  • 現状の SPF / DKIM / DMARC の設定値
  • DMARC レポート送信先(rua のメールアドレス)
  • 過去に「Gmail に届かない」事象が報告されているか

DMARC 義務化以降、メール認証の設定漏れは制作会社の責任問題になりやすい論点です。詳しい設定はDMARC設定方法を参照。

7. メール基盤と送信経路

  • メール送信に使っているサーバー / サービス(レンタルサーバー / Google Workspace / Microsoft 365 / SendGrid 等)
  • それぞれのアカウント情報
  • 送信ドメイン認証(SPF/DKIM)が各サービスで正しく設定されているか

ここを把握していないとサーバー移転で SPF が壊れ、「サイトは動いてるのにメールが届かない」事故が起きます。

やってしまいがちな引き継ぎ漏れ 3 パターン

1. 「ドメインのことは分からない」と言われて深追いしなかった

クライアント担当者が変わっており、ドメイン情報を誰も把握していない状態。引き継ぎ時にレジストラへ電話で問い合わせるくらいの能動性が必要です。

2. レジストラの管理画面ログインを「あとで確認」と先送り

実際にトラブルが起きてからログインを試みると、二段階認証やパスワード忘れで時間を取られます。引き継ぎ初日に必ずログイン動作確認しておきましょう。

3. メール送信経路を確認せずサーバー移転

「Web サーバーの引っ越しだけ」と思って移転したら、SPF/DKIM レコードを更新し忘れて Gmail に配信できなくなった ── 2024 年以降、最も多い事故パターンです。

不安な部分は専門家に切り出す選択肢

ドメイン・DNS・メール認証の引き継ぎは、技術的な専門知識を要する分野です。制作会社が自社で全部抱える必要はなく、技術的な担保部分だけ専門家に切り出す選択肢もあります。

たとえば、

  • 引き継ぎ時の 現状調査だけを専門家に依頼(数時間で完了)
  • 移管・移転作業を クライアントに直接コンタクトする形で担当
  • DMARC レポートの 継続分析を月額で外注

といった切り出し方が一般的です。詳しくは制作会社向けサービスを参照してください。

まとめ

  • 案件引き継ぎ時にドメイン関連で確認すべきは 7 項目: レジストラアカウント、有効期限、WHOIS、NS、SSL、メール認証、メール基盤
  • 「あとで確認」の先送りが最大のリスク。引き継ぎ初日に必ず管理画面ログイン確認まで完了させる
  • 自社で抱える必要はない。技術的な部分だけ専門家に切り出す選択肢もある

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