ドメイン管理Web 担当者学習セキュリティ

.jp の Whois プライバシー保護とは

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目次

この記事でわかること

  • .jp の Whois が JPRS で一元管理されている実態
  • 「登録者情報非表示設定」と「公開連絡窓口の代理公開」の違い
  • .com などの gTLD とプライバシー保護の仕組みがどう違うか
  • 自社ドメインの Whois で何が公開されるかの確認方法

.jp の Whois は「完全非公開」にはできない

ドメインを登録すると、登録者の氏名・組織名・連絡先などが Whois(フーイズ、ドメイン登録者情報を検索できる公開データベース)に記録されます。個人事業主が自宅住所で登録した場合など、この情報がそのまま公開されるのは不安に感じる方も多いはずです。

ここで重要なのが、.jp ドメインの Whois は JPRS(日本レジストリサービス)が一元管理しているという点です。.com や .net などの gTLD(分野別トップレベルドメイン)とは運用ルールが根本的に異なります。

.jp の場合、登録情報は最終的に JPRS の Whois データベースに登録・公開される前提になっています。そのため、連絡先をまるごと消す「完全非公開」はできません。代わりに、用意された範囲で「何を見せ、何を別表示に置き換えるか」を選ぶ、という考え方になります。この前提を取り違えると、「プライバシー代行を申し込んだのに名前が出ている」といった誤解につながります。

仕組み1: JPRS の「登録者情報非表示設定」

.jp の Whois プライバシー保護の2つの仕組み

1 つ目は、JPRS が提供する 「Whois 登録者情報非表示設定」 です。これは 2014 年 8 月 18 日から提供されている公式機能で、対象は 汎用 JP ドメイン名(example.jp など)と都道府県型 JP ドメイン名に限られます。

この設定を使うと、Whois の検索結果のうち [登録者名] / [Registrant] が別表示に置き換えられ、登録者の氏名・組織名が直接は見えなくなります。申し込みは登録者自身が JPRS に直接行うのではなく、ドメインの管理指定事業者(契約しているレジストラ・代理店)を通じて行います。

注意点として、これはあくまで「登録者名」を隠す機能であり、後述の連絡窓口情報など他の項目までまとめて消すものではありません。対象が汎用 JP・都道府県型 JP に限られる点も、属性型 JP(co.jp / or.jp など)を使う法人には関係しやすいポイントです。

仕組み2: レジストラの「公開連絡窓口の代理公開」

2 つ目は、レジストラ各社が提供する 公開連絡窓口(こうかいれんらくまどぐち)の代理公開です。

汎用・都道府県型 JP ドメインでは、トラブル時の連絡先として 「公開連絡窓口情報」 が Whois に表示されます。多くのレジストラは、ここに登録者本人の連絡先ではなく 自社(レジストラ)の情報を代わりに掲載するサービスを用意しています。これが「代理公開」です。

つまり .jp のプライバシー保護は、おおまかに次の組み合わせで成り立ちます。

  • 登録者名 → JPRS の「登録者情報非表示設定」で別表示に置換
  • 公開連絡窓口 → レジストラの「代理公開」でレジストラ情報に置換

完全に消すのではなく 「自分の情報をサービス提供者の情報に差し替える」のが .jp 流のプライバシー保護だと理解しておくと、設定画面の用語に迷いにくくなります。具体的にどの項目を代理公開できるかはレジストラごとに異なるため、契約先のサポートページで確認してください。

gTLD(.com など)との違い

.jp と gTLD のプライバシー保護の違い

.com / .net / .org などの gTLD は、ICANN(アイキャン、ドメイン全体を統括する国際組織)のルールで運用されており、.jp とは事情が異なります。

かつての gTLD は登録者情報がそのまま公開され、隠したい人が「Whois 情報公開代行(プライバシー / プロキシサービス)」を別途申し込む、という流れが一般的でした。しかし 2018 年の GDPR(EU の個人情報保護規則)対応以降、多くのレジストラは個人の登録者情報を初期状態で伏せる(redacted 表示にする)運用へ移行しています。この扱いは ICANN の Registration Data Policy として整理され、2025 年 8 月以降は恒久的なルールへ移行しました。

両者の違いを整理すると次のとおりです。

  • gTLD: 個人情報は初期状態で伏せられている場合が多い。隠す/見せるはレジストラの設定とポリシー次第
  • .jp: 全件が JPRS の Whois に登録・公開される前提。完全非公開は不可。名前と窓口を「別表示に置換」して保護する

「.com で大丈夫だったから .jp も同じ」と思い込むと、対応すべき設定を見落としがちです。TLD ごとに前提が違う、という点を押さえておきましょう。なお、ドメインの基本構造やネームサーバーの役割は ネームサーバーとは|Web 担当者向けの役割解説 でも解説しています。

設定漏れと更新切れに注意

プライバシー保護の設定は「一度やれば終わり」ではありません。よくある落とし穴は次の 2 つです。

  1. 設定漏れ: ドメイン取得時に代理公開を申し込み忘れ、自宅住所や個人名がそのまま公開されたまま運用しているケース。取得直後に Whois を一度確認するのが確実です。
  2. 更新・移管時のリセット: 別のレジストラへ移管した際に、代理公開の設定が引き継がれず元の情報に戻ってしまうケース。移管や更新の前後でも Whois を見直しましょう。

そもそもドメインの更新を忘れると、プライバシー以前にドメイン自体を失うリスクがあります。万一の失効・復旧の流れは ドメイン更新切れと復旧の手順 を参照してください。

よくある質問

.jp でも .com のように連絡先を完全に非公開にできますか

できません。.jp は全件が JPRS の Whois に公開される前提のため、「完全非公開」ではなく「登録者名の非表示」と「公開連絡窓口の代理公開」で保護する仕組みです。

co.jp や or.jp でも登録者情報非表示設定は使えますか

JPRS の「Whois 登録者情報非表示設定」の対象は汎用 JP(example.jp)と都道府県型 JP に限られます。属性型 JP(co.jp など)は対象外のため、公開連絡窓口の扱いなどを含めて契約先のレジストラに確認してください。

代理公開を申し込めば検索しても一切ヒットしなくなりますか

いいえ。ドメイン名やネームサーバー、登録日などの情報は引き続き公開されます。代理公開は登録者の氏名や連絡窓口を「サービス提供者の情報に差し替える」もので、ドメインの存在自体を隠すものではありません。

設定は自分で JPRS に申し込むのですか

登録者が JPRS へ直接申し込むのではなく、契約している管理指定事業者(レジストラ・代理店)を通じて申し込みます。手順は各社の管理画面やサポートページで確認できます。

まずは現状を把握しましょう

自社のドメインが Whois でどのような情報を公開しているか、まずは一度確認することをおすすめします。無料ドメイン診断 で、ドメインまわりの設定状況をまとめてチェックできます。

設定状況がわからない、何を直せばよいか判断がつかないという場合は、お気軽に お問い合わせ ください。専門家がわかりやすくサポートいたします。

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