
## この記事でわかること

- デザイン会社が DNS 設定で詰まる典型的な 3 場面
- 自力で進めるか、専門業者に切り出すかの判断軸
- 専門業者に相談する前に手元で確認すべき情報

## 「DNS のこと、聞かれても分からない」の正体

クライアント案件のサイト納品前に、「ドメインの DNS 設定をお願いします」と言われて手が止まった経験はありませんか。

デザイン会社や制作会社のディレクター・デザイナーは、ビジュアルとコンテンツが本業。DNS のような **インフラ領域**は専門外であることが多く、無理に進めて事故ると、

- 公開直前にサイトが見えなくなる
- クライアントのメールが止まる
- 設定変更時に管理画面に入れず、対応が遅延

といった問題に直結します。詳しくは[DNS の基礎](/blog/dns-basics)と[制作会社のドメイン引き継ぎ実務](/blog/agency-domain-handover)も参考になります。

![デザイン会社が DNS で詰まる 3 場面](/blog/design-agency-dns-help/three-scenarios.svg)

## 詰まる場面 1: サーバー移転時の A レコード切り替え

新しいサーバーにサイトを引っ越す際、ドメインの **A レコード**を新サーバーの IP に書き換えます。ここでよく起きるのは、

- 古いレコードを残したまま新しいレコードを追加して、両方が DNS に出てしまう
- TTL を確認せず、反映に何時間もかかると思っていなかった
- A レコードと CNAME レコードの併存制約を知らなかった

切り替え当日にトラブルが起きて、夜中まで対応…という事故が一番多い場面です。

## 詰まる場面 2: メール認証(SPF / DKIM / DMARC)

2024 年 2 月の Gmail DMARC 義務化以降、**「メールが届かない」がクライアントから上がってくる**ケースが急増しています。原因はたいてい、

- SPF レコードが設定されていない
- 過去の制作会社が設定した SPF が古いまま
- DKIM のセレクタが間違っている

という DNS の TXT レコード問題です。技術的な詳細は[SPF・DKIM・DMARCの違い](/blog/spf-dkim-dmarc-difference)を参照ください。

## 詰まる場面 3: DNS の管理画面にログインできない

「クライアントから引き継いだサイトの DNS を直したいが、レジストラのアカウント情報がない」「過去の制作会社が登録していて連絡が取れない」── これも頻発する詰まり方です。

この場合、まず WHOIS 情報の所有者(Registrant)が誰か確認し、所有者本人(クライアント企業)経由でレジストラに連絡を取る流れになります。手順は[ドメイン移管の手順](/blog/domain-transfer-guide)で解説しています。

## 自力で進めるか、専門業者に切り出すか

判断軸は次の 3 つです。

![自力 vs 外注の判断軸](/blog/design-agency-dns-help/decision-matrix.svg)

### 軸 1: 案件の重要度・トラフィック

中小規模のコーポレートサイトで、社内メールが Gmail / Microsoft 365 などのクラウドメール完結なら、ディレクターが手順書を見ながら進めても大事故にはつながりにくい。一方、EC サイトや BtoB システムでメール失敗の影響が大きい場合は、最初から専門業者と組むのが安全です。

### 軸 2: メール認証の関与有無

メール認証(SPF / DKIM / DMARC)が絡む案件は、設定を間違えるとメールが止まります。**ここは経験のある業者に切り出す**のが現実解。

### 軸 3: クライアント側の DNS 体制

クライアント自身が DNS を理解している場合は、設定情報を共有して連携すれば進められます。逆にクライアントも DNS 不慣れな場合は、制作会社+専門業者で **「インフラ部分だけ専門業者が裏方として担当」**の体制が組みやすい。

## 専門業者に相談する前に手元で確認すべき情報

業者と話す前に揃えておくと、見積もりとスケジュールが大きく早まる情報は次の 5 つ。

1. **対象ドメイン**(例: `example.co.jp`)
2. **現在のレジストラ**(お名前.com / ムームー / Xserver / Cloudflare 等)
3. **WHOIS の登録者名**(クライアント自身か、過去業者か)
4. **既存サイトの URL と公開状態**(まだ運営中か、停止済みか)
5. **メール基盤**(Google Workspace / Microsoft 365 / 独自サーバー)

これだけ揃っていれば、専門業者は **30 分以内に作業範囲と見積もりを返せる**はずです。

## まとめ

- DNS 設定で詰まる典型は「サーバー移転」「メール認証」「管理画面ログイン」の 3 場面
- 案件の重要度、メール認証の関与、クライアント体制の 3 軸で自力か外注かを判断
- 業者相談前にレジストラ、WHOIS、メール基盤の情報を揃えると進行が早い

## まず現状を把握する

クライアント案件のドメインがどんな状態か把握できていない場合、無料の[ドメイン診断](/diagnose)で SPF / DKIM / DMARC / SSL を 3 分でチェックできます。クライアントへの説明資料としても使えます。

制作会社さま向けの下請けサービスは[制作会社さま向けページ](/for-agencies)にまとめています。
