
## この記事でわかること

- 制作会社・ディレクターが案件を引き継ぐとき、ドメイン関連で必ず確認すべき 7 項目
- 「引き継ぎ漏れ」が起きやすい代表的な落とし穴
- クライアントに迷惑をかけずにスムーズに引き継ぐコツ

## 「引き継いだら、メールが止まりました」を防ぐ

制作会社のディレクターやデザイナーが他社から案件を引き継ぐとき、Web サイトの納品物(デザインデータ・コード・WordPress テーマ等)は引き継ぎリストに入りやすいですが、**ドメインまわりは抜けがち**です。なお、発注側（クライアント企業）が制作会社任せのドメインを失わないための視点は[制作会社任せのドメイン、倒産・退職で失う前に](/blog/agency-domain-ownership-risk)でも解説しています。

「引き継ぎ後すぐ、クライアントから『メールが届かなくなった』と連絡が来た」── これは、引き継ぎ時の **ドメイン情報の確認漏れ**が主原因です。サイトの納品物だけ揃っても、ドメイン管理が不明だとサーバー移転・DNS 変更で一瞬で事故ります。

![引き継ぎ漏れがメール停止につながる構造](/blog/agency-domain-handover/handover-risk.svg)

本記事では、案件を **新規受注した側のディレクター視点**で、ドメインまわりで必ず確認すべき項目を整理します。

## 引き継ぎ時に必ず確認する 7 項目

![引き継ぎ確認 7 項目](/blog/agency-domain-handover/checklist.svg)

### 1. ドメイン登録業者(レジストラ)とアカウント情報

- どのレジストラ(お名前.com / ムームー / Xserver / Cloudflare 等)で取得しているか
- そのアカウントの **ログイン情報**(ID / パスワード / 二段階認証)
- アカウント所有者は **クライアント本人 / 前任業者 / その他のどれか**

特に「前任業者のアカウント配下に登録されている」ケースは要注意。前任業者と連絡が取れない場合、最悪ドメインが宙ぶらりんになります。

### 2. ドメインの有効期限

- 有効期限の年月日
- 自動更新の有無
- 更新時の支払い方法と請求先

期限切れまで残り 60 日を切ると移管できないため、引き継ぎ時に最低でも 90 日以上の余裕が必要です。期限切れ後の復旧は[ドメイン更新忘れの復旧手順](/blog/domain-renewal-recovery)が大変です。

### 3. WHOIS 情報(ドメイン所有者情報)

- 登録者名(法人名 / 担当者名)
- WHOIS 公開メールアドレス
- 連絡先住所・電話番号

WHOIS のメールが古い住所・退職者宛になっていると、移管時の承認確認メールが届かず詰みます。WHOIS で現在の所有者・登録情報を確認する方法は [ドメインの所有者を確認する方法｜WHOIS の調べ方](/blog/domain-owner-check) で解説しています。

### 4. ネームサーバー(NS)とDNS管理画面

- 現在のネームサーバーがどこか(レジストラ純正 / Cloudflare / AWS Route 53 等)
- DNS の管理画面に **ログインできるアカウント**
- 全 DNS レコードの現状(A / MX / TXT / CNAME 等)を一覧で確保

DNS 管理画面のスクリーンショットを取っておくと、移転時の復元が楽になります。

### 5. SSL 証明書

- 現在使われている証明書の発行元(Let's Encrypt / 認証局 / レンタルサーバー付属)
- 有効期限と更新の自動化状況
- 更新ジョブ(cron / certbot 等)が動いているか

2026 年 3 月から SSL 証明書の有効期限が 200 日に短縮、将来は 47 日になる予定なので、自動更新は必須です。

### 6. メール認証(SPF / DKIM / DMARC)

- 現状の SPF / DKIM / DMARC の設定値
- DMARC レポート送信先(rua のメールアドレス)
- 過去に「Gmail に届かない」事象が報告されているか

DMARC 義務化以降、メール認証の設定漏れは制作会社の責任問題になりやすい論点です。詳しい設定は[DMARC設定方法](/blog/dmarc-setup-guide)を参照。

### 7. メール基盤と送信経路

- メール送信に使っているサーバー / サービス(レンタルサーバー / Google Workspace / Microsoft 365 / SendGrid 等)
- それぞれのアカウント情報
- 送信ドメイン認証(SPF/DKIM)が各サービスで正しく設定されているか

ここを把握していないとサーバー移転で SPF が壊れ、「サイトは動いてるのにメールが届かない」事故が起きます。

## やってしまいがちな引き継ぎ漏れ 3 パターン

### 1. 「ドメインのことは分からない」と言われて深追いしなかった

クライアント担当者が変わっており、ドメイン情報を誰も把握していない状態。**引き継ぎ時にレジストラへ電話で問い合わせる**くらいの能動性が必要です。

### 2. レジストラの管理画面ログインを「あとで確認」と先送り

実際にトラブルが起きてからログインを試みると、二段階認証やパスワード忘れで時間を取られます。**引き継ぎ初日に必ずログイン動作確認**しておきましょう。

### 3. メール送信経路を確認せずサーバー移転

「Web サーバーの引っ越しだけ」と思って移転したら、SPF/DKIM レコードを更新し忘れて Gmail に配信できなくなった ── 2024 年以降、最も多い事故パターンです。

## 不安な部分は専門家に切り出す選択肢

ドメイン・DNS・メール認証の引き継ぎは、技術的な専門知識を要する分野です。**制作会社が自社で全部抱える必要はなく、技術的な担保部分だけ専門家に切り出す**選択肢もあります。

たとえば、

- 引き継ぎ時の **現状調査だけ**を専門家に依頼(数時間で完了)
- 移管・移転作業を **クライアントに直接コンタクト**する形で担当
- DMARC レポートの **継続分析**を月額で外注

といった切り出し方が一般的です。詳しくは[制作会社向けサービス](/for-agencies)を参照してください。

## まとめ

- 案件引き継ぎ時にドメイン関連で確認すべきは 7 項目: レジストラアカウント、有効期限、WHOIS、NS、SSL、メール認証、メール基盤
- 「あとで確認」の先送りが最大のリスク。引き継ぎ初日に必ず管理画面ログイン確認まで完了させる
- 自社で抱える必要はない。技術的な部分だけ専門家に切り出す選択肢もある

## 引き継ぎ案件のドメイン状態を診断

引き継ぎたばかりの案件でドメインの現状が掴めない、という場合は、無料の[ドメイン診断](/diagnose)で SPF / DKIM / DMARC / SSL の状態を 3 分でチェックできます。クライアントへの説明資料としても使えます。

専門的な支援を希望される制作会社さまは、[制作会社向けの下請けサービス](/for-agencies)もご用意しています。
